アラフィフ旅マニア ブログ。神社仏閣、仏像、遺跡、御朱印、美術館と、ちょっと贅沢なリゾートをご紹介します。

「勝」の、石清水八幡宮 昇殿参拝体験記

1068

日本三大八幡宮の石清水八幡宮は、京都の裏鬼門を護る国家鎮守の社

御祭神と縁起

石清水八幡宮の御祭神は、

東御前に神功皇后(じんぐうこうごう) 〔息長帯比賣命(おきながたらしひめのみこと)〕
中御前に応神天皇(おうじんてんのう)(第15代) 〔誉田別尊(ほんだわけのみこと〕
西御前に比咩大神(ひめおおかみ) 〔多紀理毘賣命(たぎりびめのみこと)・市寸島姫命(いちきしまひめのみこと)・多岐津比賣命(たぎつひめのみこと)〕

をお祀りし、国家鎮護、厄除開運、必勝・弓矢の神として篤く信仰されています。

昔から武士の信仰が厚く、今も厄除け祈願や事業の繁栄を願う人々がこぞって破邪顕正、一発必中の霊験あらたかな「八幡御神矢」を求める、一言でいえば「勝」に特化した神宮と言えるでしょう。

そんな〝やわたのはちまんさん〟と呼ばれる八幡市・男山に鎮座する石清水八幡宮は、京都から見て裏鬼門(南西の方角)を護る国家鎮守の古社であり、日本全国津々浦々に数万社あるといわれる八幡社のTOP3、日本三大八幡宮のひとつです。

絶対おすすめ! 昇殿参拝

私は今回、初穂料のかかる「昇殿参拝」をお願いしました。

結論から言うと・・・「昇殿参拝」は、絶対おすすめです! 例えは悪いですが、美術館でイヤフォンガイドのありなしで格段に面白さが違うように、昇殿参拝でしか見られない場所やお話がたくさんありました。 残念ながら昇殿参拝中は写真撮影不可なので、写真でお店出来ないのが残念ですが、本殿の奥は、朱の柱の連なりが美しく「ここは日本のメスキータ?」と思わせる、幻想的な空間でした。

また、説明をしてくださった禰宜の方の解説が見事で、石清水八幡宮のことだけでなく、全国八幡社の成り立ちなどマクロの視点でのお話も非常に心惹かれました。私が参加した回は、私含めて5名で、石清水八幡宮の七不思議もじっくりそばによって鑑賞できる余裕がありました。

こういう神聖な場所でお金の話をして恐縮ですが、1時間じっくりお話を伺えてなんと1000円、安い! 八幡大神のお使いの鳩を象ったストラップ付き!笑。本来40分のコースのようですが、結構じっくり見せていただけるので、時間の余裕をもって申し込んでください。

さらにいうと初穂料は社殿の補修のために使われるようですね。確かに結構屋根が傷んでしまっていました涙・・・トタン屋根が痛々しかった。補修費として寄付は募っていらっしゃいましたが、こうしてお話をきけて、初穂料が補修にも使われる・・・WinWinですね笑。申し込みは御朱印がいただける、お札・お守り授与所で、11時と14時の1日2回実施されます。

昇殿参拝の詳細はこちらから

三ノ鳥居

前回ご紹介したルートでアクセスすると、ちょうど長い参道の中央辺りで合流します。ただ私は、「鳥居をくぐりたい!できることなら一の鳥居から!」派なので、一旦逆走し、三の鳥居の外まで戻りました。

石清水八幡宮の参道、長いですよね。写真の奥にも本殿の姿が見えません。

一の鳥居は、男山の麓「京阪八幡市駅」の近くに、二の鳥居は同じく山裾の裏参道口にあり、ケーブルカーで登ってきた参拝客がアクセスできるのはこの三の鳥居からになるでしょう。

八不思議のひとつ、「参道に飛び出た石」

鳥居をくぐるとすぐに結界が張られた石がありました。調べたところ、これは「はちまんさんの八不思議」のひとつ、「一ツ石(ひとついし)」でした。

むかし、石畳がなくて土の参道だったころに行われていた競馬(くらべうま)のスタート地点だったことからそう呼ばれ、別名「勝負石」とも。実は後に出てくる、ゴール地点の南総門下には「五ツ石」が隠れているといわれているそうです。

はちまんさんの八不思議とは

  • 斜めを向く社殿
  • 見つめあう一対の鳩
  • 八幡宮の中に八幡ZOO
  • 抜け出せなくなった子猿※昇殿参拝のみ拝観可能
  • 信長公の粋な計らい「黄金の雨樋」※昇殿参拝のみ拝観可能
  • 切り取られた石垣
  • 参道に飛び出た石
  • 神社の境内に発明王エジソン

の8つを、七不思議ならぬ「八不思議」として定めているそう。昇殿参拝でしか見られない、「目抜きの猿」と「黄金の雨樋」は必見ですよ!

一般人は写真撮影不可ですが、京都府広報局が運営しているサイトで写真を見つけました。「KYOTO SIDE」はこちらから

ながーい参道を抜けて

長い参道の両脇には、奉納された石灯籠が隙間なく並んでいます。昔、ここで競馬がなされていたのが納得できるほど、整然と長い参道です。

参道を抜けるとようやく正面に「南総門」左手に「手水舎」が見えてきます。

手水舎

大きくて立派な手水舎。柱のところに石清水八幡宮の各種パンフレットが置かれているので、こちらで情報収集してください。

コロナ感染症防止のため、最近多くなった柄杓を使わないスタイルでした。

「石清水 つきぬみいづをとこしえに くみてあがめむ 神の御光」 

奉献酒

京都の南側は伏見に代表する、水の良い場所でしたね。奉納された酒樽が並びます。

石清水八幡宮御由緒書

石清水八幡宮の御由緒書は情報量が多すぎて転記できなかった笑。

南総門

ようやっと南総門に到着。ここから国宝の御本社へと入っていきます。

謡曲「弓八幡」と石清水八幡宮

世阿弥の「弓八幡」という曲は、男山八幡宮の神徳を称え、威武の聖代を祝う曲だそうです。

昇殿参拝案内

南総門の柱のそばに、昇殿参拝の案内が置かれていました。実はホームページでもお知らせのページに入っていて、折角の良い情報が見つけづらかったので、現地で大きく表示されていてよかったです。写真は昇殿参拝しないとみられない、「目抜きの猿」と「黄金の雨樋」ですね。

南総門から本殿を一周、動画で体感しよう

毎回「写真だけだと建物のサイズや空気感が伝わらないな」と思っていたので、今回「歩いてみた」をやってみました! 南総門からぐるりと境内を一周。実際の体験に近い感覚を味わえると思いますので、ぜひご覧ください。

南総門をくぐって、いざ出発です。

八不思議のひとつ、「斜めを向く社殿」

上の、南総門から撮影したもののほうがわかりやすいかな?石清水八幡宮は、参道に対して斜めに社殿が作られているんです。

これは参拝を終えて帰るとき、神様に対して真正面に背を向けないように、御本社と参道の中心をわざとずらしているのだそう。また、そもそも神社の境内や参道は、神様の鎮まる社殿の正面が簡単には見えないような口座雲丹なっているといわれています(石清水八幡宮パンフレットから引用)

確かに、出雲大社でも神座は正面ではありませんでした。禰宜さんの話によると、他の神社もそのようになっているものが多いけれど、石清水八幡宮は参道が長いためよりはっきりとわかる、とのことでした。

お札・お守り授与所

南総門を入って右手、絵馬の奥がお札・お守り授与所で、昇殿参拝の集合場所はこの辺りです。

一番手前辺りで御朱印をいただくことができます。昇殿参拝の申し込みもそこでOK。石清水八幡宮の御朱印は、「八」の字が鳩の形になっていて、とっても可愛いんですよ。

平成28年、国宝に指定された御本社

平成28年に国宝に指定されたのは、本社10棟、附棟札3枚。現在の社殿は徳川三代将軍家光の造替によるもので、現存する八幡造の本殿の中で最古かつ最大規模だそう。

八幡造は、本殿、幣殿の社殿が独立していて、その社殿の間に雨水が溜まりやすく、木製の雨樋だと追い付かず、社殿が壊れてしまうのだそう。それを直訴された信長公がサッと寄進してくれたのが「黄金の雨樋」だそうですよ、太っ腹ですね笑。

回廊の外から一周してみました。

右手に見えるのが「信長塀」と呼ばれる河原と、瓦と土を幾重にも重ねて作られた頑強な塀。こちらは天正8年織田信長寄進と言われています。やはり武運の霊験あらたかなのでしょうか、有名武将の名前がたびたび出てきます。

京都に行くと、こうした塀をよく見かけますが、実用的なものでありながら、一種の意匠のように見えて、ついシャッターを切ってしまいます。

こちらは東総門の近くにある、御本殿昇殿口。昇殿参拝もここから本殿へ入っていきます。

江戸前期に作られた東総門。重要文化財に指定されています。

御本殿を挟んで反対側に位置する西総門。こちらも重要文化財。

こちらは一周して、もうすぐ正面へ戻ってくるところ。途中の本番拝見にある摂社、末社は次回の記事でご紹介しますね。右にちょこっと見えている大きな木・・・これは

武将 楠木正成の「楠」

御神木、楠木正成公が建武元年(1334年)に必勝を祈願して奉納した「楠」だそうです。樹齢なんと700年で、京都府の天然記念物に指定されています。

見上げると雄々しく枝を天高く伸ばしている楠。御神徳にあやかりたいと、樹皮を触ってお祈りさせていただきました。

神楽殿

南総門の手前にある、神楽殿。この辺りの社殿と回廊は痛みが激しくて、屋根の吹き替えが必要そうでした・・・みなさん、昇殿参拝で応援しましょう!

八不思議のひとつ、「見つめあう一対の鳩」

これが最後にご紹介する八不思議。御本殿の正面にある、楼門の蟇股に呼ばれる部分にある黄金の鳩ですが、よく見ると向かって右の鳩の口が少し開いてします。これは八幡様のお使いの鳩が、狛犬と同じく「阿吽の呼吸」で神様をお守りしているからだそうです。

写真でお伝え出来ないのが残念なほど、御本殿の瑞垣に掘られた様々な彫刻はすばらしく、有名な左甚五郎作のものもあり見ごたえ十分! ぜひご覧になってくださいね。

次回は「石清水八幡宮摂社、末社」です。

京都・滋賀Contents

01-石清水八幡宮 京都駅からのアクセス
02-「勝」の石清水八幡宮 昇殿参拝体験記
03-石清水八幡宮摂社、末社
04-石清水八幡宮帰路と展望台
05-京都伏見「鳥せい」本店でランチ
06-雨の伏見散策
07-史跡 寺田屋と外観
08-今も宿泊できる!?伏見 寺田屋内観
09-サクラテラスザ・ギャラリーNorth施設紹介
10-サクラテラスザ・ギャラリーSouth施設紹介
11-サクラテラスザ・ギャラリー スーペリアダブル宿泊記
12-サクラテラス・ザ・ギャラリー朝食
13-サクラテラス・ザ・ギャラリー夕食
14-日吉大社へのアクセスと 西本宮参道
15-日吉大社 西本宮 参拝記
16-日吉大社 宇佐宮 参拝記
17-日吉大社 白山宮 参拝記
18-日吉大社 三宮遥拝所と神輿収蔵庫
19-日吉大社 樹下宮、東本宮 参拝記
20-日吉大社 東本宮 参道
21-比叡山延暦寺 坂本からのアクセス
22-比叡山延暦寺 東塔エリア 参拝記
23-比叡山延暦寺 横川エリア 参拝記
24-比叡山延暦寺 西塔エリア 参拝記
25-早朝の東寺散策 その1
26-早朝の東寺散策 その2
27-メルキュール京都ステーション ホテル施設紹介
28-メルキュール京都ステーション ワーケーションスペース
29-メルキュール京都ステーション 宿泊体験記
30-メルキュール京都ステーション 朝食
31-メルキュール京都ステーション トラットリアM Kyoto
32-『細雪』で谷崎が称えた、平安神宮の枝垂れ桜
33-上賀茂神社の斎王桜
34-西本願寺 お西さんを知ろう!
35-西本願寺 早朝参拝のススメ
36-二条城 夜桜ライトアップーNAKED FLOWRS 2021ー桜ー 世界遺産・二条城
37-下鴨神社(賀茂御祖神社) 参拝記
38-京都グルメ編-出町ふたばの豆餅と加茂みたらし茶屋の加茂団子
39-京都グルメ編-焼肉 弘商店 京都駅西
40-京都グルメ編-中村藤𠮷のきつね抹茶うどんセット
41-京都土産2021春

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。