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比叡山延暦寺 横川(よかわ)エリア 参拝記

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源氏物語に出てくる「横川僧都」の遺跡を訪ねる

大抵の方にとっては横川は「横川中堂を中心とした、比叡座何延暦寺最奥にある堂宇群」という認識でしょうが、日本文学、特に平安文学を専攻した人にとっては「横川」はある文学の特定のくだりを想起させる地名です。

「横川の僧都(よかわのそうず)」という、地名+役職名で想起されるそれは、日本を代表する文学『源氏物語』のヒロインの運命に大きな影響を与えています。

『源氏物語』の第二部後半は、主人公の匂宮(におうのみや)と薫(かおる)二人の貴公子に愛され、心が引き裂かれたヒロイン「浮舟(うきふね)」は、宇治川へ入水自殺をはかります。そこへ通りかかった「横川の僧都」が「浮舟」を助け、のちに彼女の願いをかなえ「浮舟」を出家させる・・・というストーリーです。

この「浮舟」を助ける「横川の僧都」は源氏物語に出てくる僧侶たちの中でも特に徳が高く、心優しいイメージがあり、物語の中の人物とはいえ好感を抱いていました。今日その「横川の僧都」のお住まいにお邪魔します♪

横川エリアとは・・・(一般的な知識はこちら)

横川は本堂にあたる横川中堂を中心とする区域です。

西塔から北へ4キロメートルほどのところにあり、第3世天台座主慈覚大師円仁によって開かれました。本堂は、遣唐使船をモデルとした舞台造りの横川中堂です。他に往生要集著者の源信僧都が隠居していた恵心堂やおみくじ・魔除けの角大師で有名な元三慈恵大師良源を祀っている四季講堂(元三大師堂)などがあります。

引用: 比叡山延暦寺公式HP

バス停からのアプローチ

横川は、比叡山の中でも最奥ということともあり、ここまでバスに乗ってくる乗客もまばら。私のほかに2組の観光客がバスを降りました。バスの本数が少ないので、みな速足で横川中堂を目指します。

龍が池弁天と龍神さま

バス停から坂を下りきって少し進むと、「龍が池弁天」がありました。

龍が池のなかほどに小さな祠があり、そこに龍が池弁財天女をお祭りしているのですが、ここには四季講堂で後ほどご紹介する元三大師と大蛇の物語が残っています。

上の説明書きに詳しく書かれていますが、
昔この池に大蛇が住み着き毒気をはいて人々を苦しめていました。そこで元三大師は頓智で大蛇に挑みます。「汝は身を自在に変化させる神通力を持っていると聞くが本当か」と尋ねると、大蛇は「本当だ。俺にできないことはない」と答え、数十倍の大きさになって見せました。元三大師は今度は「では私の手の平に乗れるくらい小さくなれるか」と尋ねると「お安い御用」とばかりに小さくなって、手のひらの中に入りこみました。そこで大師はすかさず観音様の念力によって蛇を閉じ込めてしまいました。そして弁天様をここにお迎えし、小さくなった大蛇を弁天様の使者とされました。大蛇は悪行を悔いて「龍神」となって弁天様にお仕えした---というお話です。

子供のころ「日本むかしばなし」と「ギリシャ神話」が愛読書だった私には、こういった昔の伝説の地はとくに興味深いです。

横川中堂

龍が池から目を転じると、すぐそばに「横川中堂」の美しい舞台づくりの建物が目に入ります。

横川の本堂にあたるのが、この横川中堂です。舞台造りで全体的に見て船が浮かんでいる姿に見えるのが特徴です。お堂の中央部が2メートル程下がっていて、そこに本尊として慈覚大師作と伝えられる聖観音菩薩が祀られています。

引用: 比叡山延暦寺公式HP

こちらが坂を上り切ったところにある、「横川中堂」の参拝入り口です。

「横川中堂」は嘉祥元年(848)年に大三世慈覚大師円仁上人が開創し、その後豊臣秀頼と淀君が再建したお堂が昭和14年まで残っていたんですね。生憎と雷で焼失し、現在のお堂は昭和46年に復元されたものだそう。

恵心堂へのアプローチ

境内の桜のつぼみが色づき始めています。京都市内は春真っ盛りでしたが、ここはまだまだ早春の気配が漂っています。

「横川中堂」からさらに奥へ。「四季講堂」と「恵心堂」方面へ向かいます。途中周囲は緑の密度が濃い! 鳥のさえずりが心地よく、森林浴を楽しんでしまいます。

参道の途中途中に、こうした石仏が祀られていました。これが横川中堂の案内板に書かれていた、「西国三十三か所の観音石仏めぐり」ですね。

これは私が行きたかった、日本三大弁財天がある「竹生島」の石仏です。観音様のご神徳あらたかと有名な「京都 清水寺」の観音石仏もすぐ近くにありました。

鐘楼

観音石仏の点在する坂道を登りきると、目の前に「鐘楼」がありました。右へ進むと「恵心堂」左へ進むと「四季講堂」にたどり着きます。

恵心堂

鐘楼から恵心院へ向かいます。あまりにもひっそりとしているので、「本当にこの道であっているかな?」とバスで乗り合わせた観光客の方と確認しあいながら進みました。

ようやっと到着しました。恵心堂は奥深い山にひっそりと建つ、小さなお堂。

恵心僧都源信の旧跡であり、阿弥陀如来を祀り、念仏三昧の道場です。源信はこの恵心堂において『往生要集』や『二十五三昧式』などを著わし、後の浄土宗や浄土真宗などの源となる日本浄土教の基礎を築きました。

引用: 比叡山延暦寺公式HP

案内板には「恵心院」と書かれていますが、内容を読むと「恵心堂」と同じですね。

恵心堂の斜め前に、「『源氏物語』の横川僧都行遺跡」の石碑がありました。ここに書かれている、源氏物語における横川僧都の登場シーンは以下の通り

  • 「賢木」では、光源氏が天台座主から受戒、横川僧都により剃髪
  • 「手習」では、入水した浮舟を助け
  • 「夢浮橋」では、薫が毎月根本中堂に詣でて( ! ! )経・仏などを供養

となかなかの登場回数を誇ります。

この石碑の横に真っ赤な椿が咲き誇っていました。源氏物語に「椿」をイメージさせる女性はいなかったと思いますが、花の色があまりにも美しくて、源氏物語と似た優美な世界に心を遊ばせてしまいました。

四季講堂(元三大師堂)

来た道を戻り、四季講堂に到着しました。

門の前に何やら見かけたことのある、不思議な文様?が描かれています。不思議な文様は「角大師」だそう。

そしてとても興味が惹かれる「おみくじ発祥之地」の石碑もあります。

慈恵大師(良源)(元三大師)の住居跡と伝えられる元三大師堂は、康保4年(967年)、村上天皇の勅命によって四季に法華経が論義されたことから四季講堂とも呼ばれています。

現代のおみくじの形は、元三慈恵大師良源が考え出したと言われており、この元三大師堂はおみくじ発祥の地となります。 ここでは、角大師(つのだいし)のお姿を授与していて、魔除けの護符になっています。

引用: 比叡山延暦寺公式HP

石碑に書かれたものを簡単にまとめると、
永観2年疫病がはやり多くの人々が病に倒れる中、元三大師様がこの難儀を救おうと、大きな鏡に自分の姿を映して禅定に入られると、ばたんばたんと姿が変わり、骨ばかりの鬼(夜叉)の姿になられた。見ていた弟子のひとり、明普阿闍梨がこの姿を見事に写し取った。大師はこれを版木でお札として刷らせ、人々に配布して各家の戸口に貼るように命じられた。このお札(角大師の影像)がある家には病魔が恐れて近寄らず、見事病魔退散の実を示され

という由来がありました。これ、今こそ各家に貼るべきじゃないでしょうか?

山門から本堂を望む。

境内はとてもきれいに整えられています。

本殿前の玉砂利も水紋を描いています。

こちらが本堂。堂内は写真撮影不可なので写真がありませんが、授与所のすぐ前にたくさんのお札がおかれていて、目的にあった魔除けの護符をいただくことができます。

また、注意書きにたくさんかかれているのですが、「おみくじ発祥の地」と書かれていると、ついおみくじを引いてみたくなりますよね。不謹慎ながら私もそうでした・・・ただ、こちらのおみくじはお金を払ってさっと引くものではなく、数時間カウンセリングのように話をきいてから受けとれるものだそう・・・予約必須と聞いて納得です。昔でいうところの、心理カウンセラーのようなものだったのかもしれませんね。

無事、「大事にものが逃げていかない」効果がある護符をいただき、西塔エリアへと向かいました。

そういえば、横川まで路線バスに乗っていると、一気に視界が開け琵琶湖の美しい景色が堪能できる場所がありました。ぜひ乗車の際は、琵琶湖側に座ってみてくださいね。

次回は「比叡山延暦寺 西塔エリア 参拝記」です。

京都・滋賀Contents

01-石清水八幡宮 京都駅からのアクセス
02-「勝」の石清水八幡宮 昇殿参拝体験記
03-石清水八幡宮摂社、末社
04-石清水八幡宮帰路と展望台
05-京都伏見「鳥せい」本店でランチ
06-雨の伏見散策
07-史跡 寺田屋と外観
08-今も宿泊できる!?伏見 寺田屋内観
09-サクラテラスザ・ギャラリーNorth施設紹介
10-サクラテラスザ・ギャラリーSouth施設紹介
11-サクラテラスザ・ギャラリー スーペリアダブル宿泊記
12-サクラテラス・ザ・ギャラリー朝食
13-サクラテラス・ザ・ギャラリー夕食
14-日吉大社へのアクセスと 西本宮参道
15-日吉大社 西本宮 参拝記
16-日吉大社 宇佐宮 参拝記
17-日吉大社 白山宮 参拝記
18-日吉大社 三宮遥拝所と神輿収蔵庫
19-日吉大社 樹下宮、東本宮 参拝記
20-日吉大社 東本宮 参道
21-比叡山延暦寺 坂本からのアクセス
22-比叡山延暦寺 東塔エリア 参拝記
23-比叡山延暦寺 横川エリア 参拝記
24-比叡山延暦寺 西塔エリア 参拝記
25-早朝の東寺散策 その1
26-早朝の東寺散策 その2
27-メルキュール京都ステーション ホテル施設紹介
28-メルキュール京都ステーション ワーケーションスペース
29-メルキュール京都ステーション 宿泊体験記
30-メルキュール京都ステーション 朝食
31-メルキュール京都ステーション トラットリアM Kyoto
32-『細雪』で谷崎が称えた、平安神宮の枝垂れ桜
33-上賀茂神社の斎王桜
34-西本願寺 お西さんを知ろう!
35-西本願寺 早朝参拝のススメ
36-二条城 夜桜ライトアップーNAKED FLOWRS 2021ー桜ー 世界遺産・二条城
37-下鴨神社(賀茂御祖神社) 参拝記
38-京都グルメ編-出町ふたばの豆餅と加茂みたらし茶屋の加茂団子
39-京都グルメ編-焼肉 弘商店 京都駅西
40-京都グルメ編-中村藤𠮷のきつね抹茶うどんセット
41-京都土産2021春

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