アラフィフ旅マニア ブログ。神社仏閣、仏像、遺跡、御朱印、美術館と、ちょっと贅沢なリゾートをご紹介します。

出雲大社「八足門」内で特別参拝 体験記

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「縁結び」の御利益で有名な「むすび」の神

出雲大社は、「豊葦原瑞穂の国」をお造りになった、”だいこくさま”の別名で知られる、「大国主命」が祀られる社です。日本の成り立ちに深く関わる神話なので、皆さんもよくご存じのお話だと思います。

とても簡略にまとめてしまうと、大国主の命が築いた、とても豊かな国「豊葦原の瑞穂国」を高天原からご覧になった天照大御神は、自陣の子孫にその地を治めさせようと、何度か失敗を重ねながらも使者を送り、説得に成功して「豊葦原の瑞穂国」は皇孫の治めるところとなりました。そのお礼として下賜されたのが出雲大社で、古代にはなんと48メートルの高さの御本殿だったとか・・・出雲大社は大国主命の「結び」の力を受け、良縁を祈念する参拝者で常に賑わっています。

出雲大社を参拝した方に伺うと、「良い気に満ちている」といいます。「良縁を結び、悪縁を断つ」のも、他の縁切り神社のようにスパっとではなく、優しく、良い方向で新しい縁を結んでくれるのだとか・・・一回参拝すると何度も足を運んでしまう、というのも納得です。

出雲大社の御祭神 大国主命御鎮座の由来

大国主大神様が国づくりによって築かれた国は、「豊葦原の瑞穂国」と呼ばれ、あらゆるものが豊かに、力強く在る国でした。大神様は国づくりの後、築かれた国を私たち日本民族を遍く照らし治める天照大御神様へとお還し(国土奉還=国譲り)になりました。そこで天照大御神さまは国づくりの大業をおよろこびになり、その誠に感謝なさって、これから後、この世の目に見える世界の政治は私の子孫があたることとし、あなたは目に見えない世界を司り、そこにはたらく「むすび」の御霊力によって人々の幸福を導いて下さい。また、あなたのお住居は「天日隅宮(あめのひすみのみや)」と申して、私の住居と同じように、柱は高く太い木を用い、板は厚く広くして築きましょう。そして私の第二子の天穂日命をして仕えさせ、末長くお守りさせます。
と申されました。こうして大国主大神様は目に見えない世界を司られ、天照大御神様の御命令によって高天原の諸神がお集まりになり、大国主大神様のために宇迦山の麓に壮大なる宮殿が造営されました。そして大国主大神様は永久にお鎮まりになって人々の幸福のために慈愛をそそいで下さることになり、今に至るまで厚い信仰をお受けになっています。この荘厳な御社は天日隅宮を始め様々な名称で称えられてきましたが、現在は「出雲大社(いづもおおやしろ)」と申しております。

引用:出雲大社公式HP

以前から出雲大社への参拝を希望していた私は、満を持して、このツアーで参拝できる最奥にまで入ることができました。非常にオススメのツアーなので、ぜひご検討してみてくださいね。

《神職がご案内》出雲大社「八足門」内での特別参拝

3000円で、古代出雲歴史博物館と、普段は入ることのできない八足門内の神域を神職の案内で参拝できるという夢のツアーです(所要時間80分)。私が行った2020年3月は、古代出雲歴史博物館が改築中だったかともあってか、博物館ではなく、12時10分一畑電鉄の出雲大社前駅に集合、ここからガイドさんが付いて出雲大社の説明を受けながら八足門まで案内され、そこで神職さん登場、参拝へ(所要時間130分)、という流れでした。本日はこのツアーの流れに沿って、出雲大社参拝の方法をご紹介しますね。

一の鳥居から勢溜へ

ツアーの集合場所は、一畑電鉄の出雲大社前駅に12時10分。せっかく稲佐の浜の砂も集めてきたので、ここは出雲大社前駅よりも先にある一の鳥居からスタートしたい、と足を延ばしました。一の鳥居は神門通りをひたすら先に進むと見えてくる、鉄筋コンクリート製の白い鳥居です。

一回一の鳥居を通り過ぎ、再び鳥居を潜り・・・というひと手間を加えてから、集合場所に向かいました。これが神門通りです。右に見えている黄色の壁、緑の屋根の建物が一畑電鉄の出雲大社前駅です。

この建物、明日詳しく紹介しますが、国の登録有形文化財に指定されてます。レトロでおしゃれな内装ですよ。この建物の中にツアーデスクが臨時で作られていて、ツアーガイドさんが待っていました。

ツアーガイドさんと一緒に出発です。この日はとても少なくて6人くらいのこじんまりとしたツアーでした。ガイドさんが神門通りのお店を紹介してくれながら勢溜に向かって進みます。この写真は勢溜から一の鳥居方面に振り返って撮影したものです。

勢溜から松の参道へ

さて、振り返って勢溜の鳥居、二の鳥居ですね。ここは一番の撮影スポット、「出雲大社の社標を入れて撮影するといいですよ!」のアドバイスを受け、撮影してみました。空が真っ青、松の緑が映えて奇麗です。

勢溜を抜けると有名な「下り参道」です。参道が下っているのは全国的に見ても珍しいのだとか。

途中にある「祓社(はらえのやしろ)」です。出雲大社に参拝する人は、まずここで身心を祓い清めます。ご祭神は 祓戸四柱の神で、瀬織津比咩神(せおりつひめのかみ)、速開都比咩神(はやあきつひめのかみ)、気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ)、速佐須良比咩神(はやさすらひめのかみ)。私たちもお祈りしてから先に進みました。

下り参道を下り切ると現れるのが「祓端」です。その先に松の参道が見えていますね。

「祓端」を渡りきったところ。「松の参道」のスタート地点です。

現在、「松の参道」は立ち入り禁止になっています。中央に歩行者止めが置かれているのがわかるでしょうか?左側にに人が映っていますが、松の左右の小径を歩くようになっています。

歩行者止めの手前から「松の参道」の入り口にある「三の鳥居」、さらに先にある「祓端」を振り返っています。

「松の参道」から左手に広がる、芝生を進むと、兎のオブジェと、「縁結びの碑」が見えてきます。ここは桜も奇麗とかで、兎、桜と一緒に写真撮影するのが人気のスポットだとか。

手水舎から銅鳥居へ

コロナ前は近づくのも大変だったというくらい混んでいた「手水舎」。今は柄杓を使わないように、直接竹筒から水が注がれる形になっていました。

勅使館(ちょくしかん)。

「古事記」で大国主大命が赤裸となって苦しんでいる兎に出会い、「真水で身体を洗い、ガマの穂の上で転がると治りますよ」と助けたという「因幡の素兎(いなばのしろうさぎ)」の伝説は、出雲大社をはじめ、出雲の地のどこでも見かけるモチーフですが、この出雲大社には現在46羽の兎の像があるそうです。これはその中でも代表的な、「ご慈愛の御神像」。勅使館(ちょくしかん)の前、社務所の南東に建っています。

「松の参道」からつながる参道に戻ってきました。前に見えるのは最後の鳥居「銅鳥居」です。出雲大社の4つの鳥居はそれぞれ「鉄筋コンクリート製」「木製」「鉄製」「銅製」となっています。

「銅鳥居」を潜り、拝殿前に向かいます。拝殿の先、「八足門」前で案内してくださる神職の方と待ち合わせです。ガイドさんの案内はここまで。ありがとうございました。

出雲大社の境内図はこちらから

御本殿と特別参拝

この写真の間に、「八足門」内での参拝を済ませてきました。いやぁ・・・素晴らしかったです。写真はもちろんNGなのでご紹介できないのが残念ですが、本当に感動しました。心を込めてお祈りできました。

出雲大社って、歴史と格式のある神社なので閉鎖的かと思っていたら、凄くオープンなんですね。本殿の間近まで迫って参拝させていただいたのですが、「平成之大遷宮」のはお話の時に、天照大神に仮の宮に遷座いただいていた際には、寄付を集めるという意味もあったのでしょうが、実際に本殿内まで入ることができた・・・というのには非常に驚きました。知っていたらぜひ体験したかった・・・! また、出雲大社の本殿は、昔は48m、今は24mほどもある元祖高層建築ですが、台風の被害にあったことが無いそうです。まさに「神様に護られている土地」らしく、大きな天災にあったことが無いのだとか。

この写真は八足門の隣にある「観祭楼」ですが、この左奥にご本殿があります。出雲大社の本殿は9本の柱によって支えられた高床式。高さ8丈(24m)、平面規模は柱間が10.9m四方と、日本最大規模の木造神殿本殿です。

古代には3本の巨木を鉄輪で束ねて一本の柱として、高さ16丈(48m)のご本殿を支えていたといわれていて、手前にある〇は、柱の太さを現しています。この高さ、柱の太さは実は空想のように語られていたのですが、平成12年に境内から古代御本殿の御柱が48mの高さの本殿が現実であることを示すかのように発掘された・・・というのは古代神話ファンにはたまらない話です。

本殿手前にある「手水舎」。

「十九社」は、拝殿を中央にはさみ、東と西の二か所あります。これは八百万の神の遥拝所で、神在月に出雲に集われた神様の宿泊所となっています。今でいう神様専用ホテルですね笑。

御本殿を囲む「瑞垣」の東の角から撮影。すぐ後ろには「東十九社」があります。

「瑞垣」があり、さらにその内側に「玉垣」があります。その中に「御本殿」が一段高い姿を見せています。私は、「玉垣」のギリギリ手前、楼門前で参拝をさせていただき、「玉垣」周囲を少し案内していただきました。最後には記念品もいただきましたよ。

「瑞垣」外、一番北側「八雲山」の麓、素鵞の社前からご本殿を撮影しました。ご本殿は有名な「大社造り」と呼ばれる、日本最古の神社建築様式を今に伝えています。

ちなみに実は出雲大社の本殿の御神座は、皆が拝んでいる南側を向いていない、というのはご存知でしょうか?実は御神座は「西」を向いているんですね。ですから、神様と対面してお祈りしたいのであれば、西の門神社の辺りから参拝するのがお勧め、とはガイドさんの談。

素鵞社(そがのやしろ)で稲佐の浜の砂を供える

ここに来たかった! 素鵞社(そがのやしろ)の御祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)。天照大御神の弟であり、大国主大神の親神で、大国主の命に国づくりの大任を授けられました。

これは小説の設定上かもしれませんが、先に書いた御本殿の神座が南を向いていないというのは、ご本殿の真後ろにこの素鵞社があり、祖神様にお尻を向けてはいけないからだ、という説も。非常に面白い説ですね。

素鵞社の周りには可愛い兎の像がたくさんあります。

お祈りしている兎さん・・・可愛いです♪

午前中に稲佐の浜で集めてきた砂を、この木箱に収め、同じ量だけまた持ち帰ります。これは土地を清める力のある砂で、新築や改築の際に土地に撒いて清め、祓います。ジップロック持参で挑みましたよ。先達の方がスプーンを置いておいてくださっていて有難い。

素鵞社から、今度はご本殿の西側を通ってきました。写真中央左手の、「瑞垣」沿いの賽銭箱のあるあたりで参拝するのがお勧め、とのこと。

神楽殿の大注連縄

出雲大社のもう一つの名物といえば、神楽殿の大注連縄。神楽殿では御祈祷や結婚式をはじめ様々な祭事行事が執り行われています。

神楽殿には参拝記念やお守りなどの授与所があります。

大注連縄は長さ約13メートル、重さ5.2トン。数年に一度、新しい注連縄へと懸け替えられますそうですが、凄い迫力でした。この写真が有名すぎて、ここが拝殿だと勘違いしていたのはナイショの話です笑。


出雲Contents

  1. いざ!出雲大社へ-出雲空港(出雲縁結び空港)
  2. 天然温泉 八雲の湯 ドーミーイン出雲
  3. のどくろ専門居酒屋「のどくろ日本海」
  4. 日御碕神社(ひのみさきじんじゃ)と経島(ふみしま)
  5. 八百万の神が上陸する地、稲佐の浜
  6. 神話の舞台、神迎の道 上の社 屏風岩
  7. 出雲そばの名店 荒木屋
  8. 旧大社駅舎
  9. 出雲大社「八足門」内で特別参拝 体験記
  10. 一畑電鉄で松江しんじ湖温泉へ
  11. 島根美術館と宍道湖の夕日
  12. 世界に誇る日本庭園 足立美術館
  13. 縁結びに効果あり!八重垣神社鏡の池の水占い
  14. 私的パワースポット!玉作湯神社
  15. 美人の湯で有名な玉造温泉で日帰り入浴

次回は鉄道の旅っていいなぁ~と思った「一畑電鉄宍道湖の旅」をご紹介します。

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