弘法大師開基以来、信仰を集め続ける聖なる山
今回は終日宮島で滞在予定。とことん宮島を攻め尽くそうと、普段はしない登山にチャレンジしました。・・・というのはおこがましいほど、弥山は気軽に歩けるので、ハイキング気分で足を向けてはいかかでしょうか。
弥山は、標高535メートル、宮島の主峰です。弘法大師が806年に開基し、平清盛や伊藤博文の信仰を集め多くの史跡が残されています。弥山は嚴島神社とともに、平成8年に世界遺産に登録されている、信仰の山です。
私は紅葉谷からロープウェイで山頂近くまで登り、残りの1時間だけ登山(ハイキング)したのですが、友人は山裾からスタートしたといっていましたし、実際に山登りではなく、「山走り?」している元気なグループにも遭遇しました。これは「トレイルランニング」っていうんですね、会社の同僚もはまっているそうで「山を駆け抜けるなんてすごいなぁ」と思っていたら、結構な人数が走っていました笑。人気なんですね。
また弥山は歴史、宗教、自然のほかに「恋人の聖地」としても有名です。特に「霊火堂」の消えない炎は一見の価値があります。
写真が50枚以上あるので、今日は紅葉谷を経由してロープーウェイに乗り、「恋人の聖地」といわれる霊火堂までをご紹介します。
名前も雅な「紅葉谷駅」へ
弥山へ向かうには、いくつかのルートがありますが、私が選択したのは最も「楽」なルート。とにかく交通機関を駆使しまくります笑。チケットは、宮島口でフェリーとロープーウェイの往復セット券を購入済みなので、まずは無料シャトルバスでロープーウェイの起点となる「紅葉谷」へと向かいます。
無料シャトルバスの乗り場は、先日ご紹介した、看板のインパクとがものすごい「佐々木八重子の店」の斜め前あたりです。嚴島神社の西回廊口(出口)から道なりに進んでいくと上の写真の看板が出てくるので、後は道なりに進めばOK。
「もみじたに道入口」と書かれた道標の向こうに見える、ベンチのところが無料シャトルバス乗り場です。道幅が狭いので、気を付けて並びましょう。
バスの時刻表はこちらの通り。9時50分が始発で、10時と11時台、13-15時台までは、各10分、30分、50分と3便あります。そして、12時台は10分だけ、16時台は10分と30分の2便となります。
ここでちょっと嫌な思い出が・・・このバス、当たり前かもしれませんがあまり大きくありません。「下手をすると乗りはぐれてしまうのでは?」と心配になるくらい。
列に並ぶのがルールだと断言するのも堅苦しいかもしれませんが、バスが到着した途端順番無視で一斉に入り口に詰めかける・・・という状態だったのがちょっと残念でした。
歩いて10分ほどの距離、バスの乗車時間はたったの3分なので、乗れなければ歩けばいいじゃない、というくらいの距離なので、もっと心穏やかに臨みたいものです。
シャトルバスはこちらで降ります。わかりにくいですが、右手の看板の下部分、オレンジの地の部分に「弥山登山紅葉谷コース」と書かれています。ここを右手に進むと登山コース、直進するとロープーウェイ乗り場に着きます。
ただ・・・意外とロープーウェイ乗り場の階段が急なのはご愛敬です。
ロープーウェイは待つこともなく次々と到着します。まだ早めの時間だったせいか、比較的空いていますね。
「わぁ~」と思わず歓声が漏れた風景。瀬戸内海を一望できるロープーウェイからの眺めが見事すぎて、あっという間に到着してしまいました。もっと見ていたかったなぁ。
ロープーウェイは、山裾の「紅葉谷駅」から、「榧谷(かやたに)駅」で乗り換えて、「獅子岩駅」へと到着します。
「獅子岩駅」到着
しまった・・・嘘をつきました。山頂まで小一時間ではありません、30分でした笑。うーむ・・・私は時間かけすぎていましたかね。ゆったりゆったり登ったら1時間かかってしまいました。
この看板に、伊藤博文の言葉「日本三景の一の真価は山頂の眺めにあり」と書かれているのですが、山頂でなるほど!と実感しました。明日の記事でご紹介しますね。
弥山の案内図です。現在地の場所が「獅子岩駅」
ここから20分で「消えずの火」がある「霊火堂」や、「弥山本堂」、「求聞寺堂(ぐもんじどう)」「行者堂(ぎょうじゃどう)」まで到着、さらに10分で山頂の展望台まで到着・・・する予定笑。
獅子岩駅から弥山山頂を臨む。意外と近くに見えています。
大体の距離を把握したところで、ちょっと小腹が空いてきました。駅に戻ってTEA TIME。
ここで登場したのが、「宮島グルメ」でご紹介した、焼き栗「くり香」と、最古のもみじ饅頭、岩村屋さんのつぶあん、こしあんの昔ながらのもみじ饅頭です。駅のベンチで食べて、エネルギーをチャージします(半分)。残りは山頂で食べるためにとっておきました。
山頂まで水分が不安な方は、この駅で補給しておきましょう。
登山開始 霊火堂まで
獅子岩駅からしばらくは緩やかな登山道が続きます。「あれ?こんな楽ちんでいいのかな?」と思っていましたが、この写真の場所を超えると、普通に山道が続きます。たかが30分、されど30分。やはりヒールなどではなく、きちんとハイキングに適した服装は必要ですね。
この辺りは「弥山原始林」なんですね。天然記念物に指定された際の石碑が残っています。昭和4年12月に文部大臣により指定されました。
この大きな岩を越えると、突如視界が開けた広場に到着します。ここが弥山本堂、求聞寺堂(ぐもんじどう)・行者堂(ぎょうじゃどう)、霊火堂があるエリアですね。
広場を中心に相対するように建物が並んでいます。こちらは弘法大師が806年に開基したという弥山本堂です。御本尊は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)。知恵の菩薩様ですね。
対して、反対側の人で賑わっている場所が・・・
「恋人の聖地」。消えずの火が1200年も燃え続けているという「霊火堂」です。この案内板は、さすが!といいますか、ウェディング界の巨匠「桂由美」さんからの寄贈のようですね。
この写真で見ると、右が弥山本堂、左が霊火堂、その奥に見えるのが三鬼堂でしょうか。
こちらが弥山七不思議のひとつ「錫杖梅(しゃくじょううめ)」です。これは弘法大師が立てかけた錫杖が根を張り、花をつけたという由来があります。ちなみにこの錫杖梅はとってもひっそりとした場所に咲いているので、これほど見事に花をつけていなければなかなか気が付かないかもしれません。
ヒント:お手洗い
早春の澄んだ空気に咲き誇る、華やかな色合いの錫杖梅。満開です。
このエリアでめちゃくちゃウロウロしていました笑。この写真は、弥山本堂から霊火堂を臨む。
霊火堂の脇の階段が山頂に続く道です。
この霊火堂の炎は、弘法大師以来1200年も消えることなく受け継がれてきた火で、広島の平和記念公園の「平和の火」の種火となったものだそうです。
ここが「恋人の聖地」とされる所以は「愛の火を消さない」ことから来ているそう。ちょっとこじつけっぽい感じはしますが、この茶釜で沸かした少し茶色く濁ったお湯をいただくと、なんだか有難く感じてしまうのはなぜでしょう。
茶色く濁っているのは、お茶の葉をに出しているからではなく、長年のすすと茶釜の鉄分の製のよう。お湯の味はちょっと灰のような焦げたような味がします。煤が壁や天井にこびりつき、「玄」の世界が広がる中、揺らめく炎と立ち込める煙・・・とても雰囲気のある場所です。お勧めです。
この額は「霊火不動」と読むのでしょうか? 霊火堂の御本尊は不動明王です。
巨石群を抜け山頂へと続く道
さて、先に進むことにしましょう。
三鬼堂は三鬼大権現(さんきだいごんげん)をお祀りしています。三鬼大権現は、真言宗系の天狗信仰や山岳仏教の信仰対象となる鬼神だそうです。天狗や山岳仏教というのが、この弥山に立つとなんだかしっくりと迫ってきます。
次に現れるのが観音堂と文殊堂。この辺りから巨石がますます目立つようになります。
最初のうちは巨岩に圧倒されていましたが、どこもかしこも巨岩だらけ笑。
日本には神の宿る場所として「磐座」という信仰があります。それは山であったり、特に巨石に多く見られますので、この巨石群が山頂に集中する弥山が、古代より聖なる山として信仰されるのも体感として納得できました。これが実際に体験してみないとわからない実感、空気感ですね。
明日は弥山山頂からの眺めをご紹介します。
広島Contents
- リーガロイヤルホテル広島 スタンダードフロア 宿泊記
- リーガロイヤルホテル広島 リーガトップ朝食
- 宮島へのアクセス
- 宮島グルメを一挙ご紹介!
- 満潮と干潮 嚴島神社の二つの顔
- 宮島散策
- 大願寺と厳島龍神、九本松
- 弥山 恋人の聖地
- 弥山 山頂展望台へ
- 千畳閣(豊国神社)は嚴島神社絶景View
- 宮島で最も古い寺院 大聖院
- 鎮魂 原爆ドームと平和記念公園
- 広島県人の誇り、広島城と廣島護国神社
次回は「弥山 山頂展望台へ」をご紹介します。
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