「戒壇めぐり」と「遍照窟」はぜひ体験したい、真言宗御室派の名刹
「大聖院ルート」もある、弥山参拝の起点
厳島神社から弥山に向かって進んでいくと、ちょうど山裾にあるのが「大聖院」です。大聖院は空海が唐より帰朝後弥山にて修行、西暦806年(大同元年)に開基したという歴史ある古刹です。
厳島神社からはとても歴史を感じさせる街並みを通り抜け、突き当たった場所にこのような道標が建てられています。
直進すると大聖院、左に進むと「みせんみち」です。こういう道標を見つけると嬉しくなります。指さしているのが可愛い。
山裾にある神社や仏閣は清流のそばにあることが多いですね。弥山へはこの白糸川の先から山道が始まっていました。
仁王門
大聖院仁王門。ちなみに、この大聖院は境内への参拝は無料なんですよね。通常神社は無料、寺院は拝観料あり、なことが多いのでちょっと驚きました。
入山時間は8時~17時です。朝はすこしゆっくりめですね。
仁王門をくぐると長い石段が続きます。手すりにも仏様が刻まれています。写真だと石段が「おおお・・・」ときつく感じられますが、緩やかで上りやすい石段なのでつらくありませんでした。
こちらの仏様、調べたところ「大般若経筒(六百巻)」というそうです。「三蔵法師がインドより持ち帰った経で、さわって参れば無量の福が得られます。」と書かれていて、ご利益が凄そう・・・気が付かずに手すりとしてつかんでしまっていました笑。
御成門
石段を登り切った先にあるのは「御成門」です。解説を見ると、この御成門から振り返ってみる厳島神社や千畳閣の風景は、宮島随一の絶景だとか。御成門の柱に「厳島御室」と書かれていますが、ここは京都の仁和寺(御室)と深いゆかりのある寺院だそう。
勅願堂
正面にあるのが「勅願堂」です。ここは大聖院の本堂で、豊臣秀吉が朝鮮出兵の時に、必勝・海上安全を祈願した本尊「波切不動明王」が安置されています。
写真の左側に映っているのは、「納経所」、「おみくじ堂」です。こちらでお守りや授与品を求めることができます。
釈迦涅槃堂のそばにあった「仏足跡」。もちろん靴を脱いで仏足跡に上がり「ノウマク サンマクダ ボタナン バク」とお唱えしました。こういうの、必ずやってしまいます笑。
最近神社への参拝が多かったのですが、先週京都で寺院巡りしていて、久しぶりに真言をお唱えしましたが、意味がわからないものの、なんだか有難い気がしてしまうのは不思議です。
魔尼殿
再び石段を登り、「魔尼殿」に昇殿します。写真だとわかりづらいですが、この手すりにつけられているのは「魔尼車」。1回まわせば、般若心経一巻を読んだ功徳が得られるといわれるものです。有難いので、一つずつ丁寧に回しながら石段を登ります。
この「魔尼殿」は、弥山 恋人の聖地でご紹介した、弥山の「三鬼大権現」を祀る本坊御祈祷所です。
石段の下には「からす天狗」の石像がありますね。これも山岳信仰を現すものですね。山岳信仰といえば、先週いった奈良国立博物館の仏像館でもたくさんの山岳信仰で祀られていた仏像があったのですが、多くが不動明王なんですね。この大聖院にも先にご紹介した「波切不動明王」のほかに、弘法大師の御作で、もとは弥山の大日堂にお祀りされていた重要文化財の不動明王像が本堂に安置されています。
「魔尼殿」は境内の建物の中で一段高い場所にあるので、眺望がとても良いです。下に見えている屋根は「観音堂」その先は、先ほどご紹介した「納経所」です。
「魔尼殿」から見た「阿弥陀堂」。「魔尼殿」と「阿弥陀堂」間には、使えなくなった包丁を祀った「包丁塚」や「読み・書き・そろばん地蔵」といった生活に密着したお地蔵様や仏様が祀られています。
「阿弥陀堂」手前にある「水掛地蔵」。
水子地蔵を中心に福智、延命、安産、成願、子育、水子の六地蔵を安置しています。
引用:大聖院公式HP
遍照窟
「大師堂」の堂下に作られた「遍照窟」は、絶対に体験してほしい。正直、一人で入るのが怖すぎて写真もないのですが、ここは四国八十八ヶ所の本尊が安置されたお砂踏み道場で、堂内いっぱいの仏像と天井から吊り下げられたたくさんの灯りがとても神秘的で、無心に祈りを捧げたくなる場所でした。ここと、本堂の「戒壇めぐり(胎内巡り)」は絶対に体験してほしい。
私は「胎内巡り」は、京都の清水寺や長野の善光寺でも体験しているのですが、体験する都度生まれ変わったような気がします。
戒壇巡りとは・・・戒壇めぐりとは、狭くて暗い場所を通り抜けることによって穢れが祓われて生まれ変わるという修行のことです。暗所の道をたどることによって人間の心身を清め菩薩に導かれて必ず極楽へ往生することが出来ると言われています。本堂地下は真(まこと)の闇で、この暗黒の世界を静かに進みゆくことにより、これまでの自分自身を省みて、積み重ねた罪障を取り除くための精神修養の道場であります。中に入って、まず左の手をのばし、左側の壁をつたって「南無大慈大悲観世音菩薩」と一心に唱えながらゆっくり進んでください。正面にて当山本尊十一面観世音菩薩をお参りすることができます。戒壇めぐりとは、狭くて暗い場所を通り抜けることによって穢れが祓われて生まれ変わるという修行のことです。暗所の道をたどることによって人間の心身を清め菩薩に導かれて必ず極楽へ往生することが出来ると言われています。本堂地下は真(まこと)の闇で、この暗黒の世界を静かに進みゆくことにより、これまでの自分自身を省みて、積み重ねた罪障を取り除くための精神修養の道場であります。中に入って、まず左の手をのばし、左側の壁をつたって「南無大慈大悲観世音菩薩」と一心に唱えながらゆっくり進んでください。正面にて当山本尊十一面観世音菩薩をお参りすることができます。
引用:大聖院公式HP
大師堂
境内最奥にある「大師堂」です。周囲は西国三十三観音霊場の本尊の石仏にぐるりと囲まれています。
境内は白糸川のせせらぎが聞こえ、清冽な水が豊富でとても清々しい空間です。
また大聖院の観音堂に用意されていた「塗香」がとても良くて、探し求めて飛騨高山で購入しました。持ち運びのできる竹の容器は奈良の「長谷寺」で。大聖院がきっかけで、私の参拝スタイルが少し快適になりました。
大聖院はただ見て拝むというよりももっと体感的、仏教的な体験をできる寺院なので、弥山とともにぜひ参拝していただきたい寺院です。
広島Contents
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- 大願寺と厳島龍神、九本松
- 弥山 恋人の聖地
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- 千畳閣(豊国神社)は嚴島神社絶景View
- 宮島で最も古い寺院 大聖院
- 鎮魂 原爆ドームと平和記念公園
- 広島県人の誇り、広島城と廣島護国神社
次回は「平和公園」をご紹介します。
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